最強のビジネス。それはファンから「潰れたら困るから絶対に潰れないように全力で応援しよう」と思ってもらえるビジネスだ。

サッカーのイングランド・プレミアリーグマンチェスター・シティ】に、セルヒオ・アグエロという選手がいます。アルゼンチン代表でもあります。

 

f:id:ninomae117:20150827114644j:plain

 

年齢は同じアルゼンチン代表の不動のエースであるメッシの1つ下。身長は173cmとそんなに高くありませんが、体重は77kgでかなりマッチョ体型であることがわかります。

 

一部では、メッシよりも評価が高いと言われる選手で、まだしばらくの間、メッシと共にアルゼンチンのサッカー界を牽引するであろうスター選手です。

 

 

そんな彼が、先日行われたプレミアリーグの第3節、アウェーでのエヴァートン戦で取った行動が絶賛されているとのニュースを見ました。

 

 

試合中、てんかんの発作を起こして倒れた一人のファンの男性を偶然アグエロが見つけました。彼は主審にすぐさまそのことを伝え、試合を一時中断させて対処するよう依頼したということです。

 

で、当然の流れというか、彼のこの行動に世界各国から称賛の声が挙がっているそうです。当のアグエロ自身は「人として当たり前のことを当たり前にやっただけ」と謙遜してるようですが。

 

まぁそれだけ最近は「人として当たり前のことを当たり前にできる」という人が少なくなってる証明でもあるのかもしれませんね(^_^;)日本だけでなく、世界的にも。

 

あと一部では、少し前にあった、試合中にファウルを受けた選手を診るためにピッチに入った医療スタッフを「試合の進行を妨げた」として非難したチェルシーFCモウリーニョ監督を引き合いに出し、

 

 

アグエロの行いは正しい。そしてモウリーニョは間違っていた」

 

モウリーニョを批判するような人もちらほらいるようです。

 

 

何が「絶対に正しい」かなんて誰も決められない

 

ただ僕は、そこでモウリーニョを引き合いに出しても仕方ないと思っています。前提も状況も異なる状態の両者を比較しても、意味なんてないからです。

 

たしかに、一見すると「アグエロは正しくてモウリーニョは間違っていた」と思えます。でも立ち位置を変えれば、両者の評価は逆転するかもしれません。

 

しょせん「正しさ」なんてそんなもんです。少なくとも、その場に無関係の人間が、外からアレコレ偉そうに「お前は100%間違っている」なんて言えるものではないと思います。

 

ただこの場合言えるのは

 

アグエロの行動はとても素晴らしかった!」

 

ということです。そのことに異議を唱える人は、おそらくいないはずです。

 

 

アグエロの行動から学べること

 

そしてこのアグエロの行動から、僕らビジネスを営む人間が学べることがあります。それは、常に「ファン目線(顧客目線)」であることがいかに大切か、ということです。

 

「ビジネスは常に顧客目線であれ」なんてことは、大抵のビジネス書には書いてますし、いろんな著名な経営者も言っています。なので、至極「当たり前のこと」です。

 

でも、その「当たり前のこと」を「当たり前にやっている」会社は、思いの外、多くありません。明らかな詐欺行為とまではいかないまでも、お客さんを都合よく誘導し、自社(自分)の利益を最大化させることを最優先にする人は結構います(特にネットの世界は多い気がします)。

 

もちろんそーいうのは、見る人が見ればおかしいってわかるし、お客さんもいつか気付きます。そうなれば、いずれそのビジネスは破綻します。

 

それが自然の摂理みたいなもんだと思います。顧客目線(相手本位)ではないビジネスは、絶対に長く続きません。

 

しかし、ことビジネスをやる側になると、そのことをつい忘れてしまいます。ビジネスである以上、利益は上げないといけないので、ひたすら「お客さんに尽くす」ことだけを考えておけば良いというものでもありません。(状況にも依りますが。)

 

ただ、いつ何時も「お客さんのことを忘れてはいけない」のだけは確かだということです。常に頭のどこかでは考えておかないといけません。

 

 

もしもアグエロが倒れたファンを見捨てていたら…?

 

仮にアグエロが、試合で勝つことだけ、自分が活躍することばかりを考えて、「応援してくれるファンのことを考える」という姿勢を疎かにしていたらどうでしょう?

 

アグエロはたぶん倒れたファンのことを見て見ぬふりして、プレーを続けたでしょう。でも、見て見ぬふりをしたことは、もしかすると誰かが見ていて、アグエロのことを非難したかもしれません。

 

そして、その非難はチームにまでおよび、マンチェスターシティは、ファンを大きく減らすことになったかもしれません。そしたらスポンサーが離れ、チームの運営資金は減り、最悪の場合、経営破たん・・・

 

まぁ全ては想像に過ぎませんが、決してありえないことではありません。特に今はネットがあるので、悪いうわさは一瞬で世界に広まります。

 

言うまでもなくプロスポーツも、ファンあってのビジネスです。ファンがいなければ、そもそもプロスポーツとして成り立ちません。

 

仮にファンがいなかったとしたら、おそらくスポンサーもあまりお金を出してはくれません。そしたら、そのチームの経営は成り立たなくなるでしょう。

 

ましてや昔のFCバルセロナのように、スポンサーをつけずにチケットやグッズの売上、またファンからの支援金だけでチームを運営していたとしたら・・・言わずもがなです。

 

ビジネスは、ビジネスである以上、利益は絶対に上げなければいけません。でないと続けられませんから。

 

でもそれは「利益獲得のみを考えて、お客さんはないがしろにしていい」ということでは、全くありません。どんなビジネスでも「ファン(顧客)が一番大切」なのは、常に変わりません。

 

 

ファンが「潰させない」ビジネスこそ最強

 

とまぁこんなことは、僕ごときが言うまでもなく当たり前のことですし、言う必要もないことかもしれません。でも、今回のアグエロの行動を見て、あらためてその大切さを認識したので、自戒の念も込めて、こうしてブログに書きました。

 

特に自分の状況が苦しいとき、たとえば「売上が上がらない」「利益が減った」などなど、ネガティブな状況にあるときほど、多くの人はつい「お客さんのことを二の次にしがち」です。

 

でもそんなときこそ、お客さん、つまり自分のビジネスを応援してくれるファンのことを大切にする、そしてそのことを「行動で示す」べきなのだと思いました。

 

そしたらそう遠くない内に、自然とそのビジネスは波に乗っていくはずです。なぜなら「ファンがそのビジネスを潰させない」からです。

 

そうなったビジネスは強いです。たとえば田舎で人も少ないのに、なぜか潰れずに、むしろ健全な経営を続けている料理屋さんなんかは、まさにファンの力の賜物です。

 

ビジネスをやる人間の端くれとして、「絶対に潰れたら困る。だから応援するよ!」とファンに思ってもらえるようなビジネス…ひいては「人間」でありたいと強く思います。

 

そして考えてみれば、乃木坂46のようなアイドルなんて、まさにその良いお手本ですね。このタイミングで彼女たちのライブに行くことになったのも、何か重要な意味があることだったのかもしれません。